Hackは1957年に河川の主流の長さLと流域面積Aとの間に, L=cArなる関係式が経験的に成り立つことを明らかにした. cとrはともに定数で, Hackによればそれぞれ1.4, 0.6という値をとる.この関係はハックの法則と呼ばれ,ベキ指数rの値とその意味がハックの法則についての研究の課題で,これまでにいくつかの研究例が明らかにされているが,若干異なった結果もある.
今回,ホートンの諸法則を良く満足する北海道の19水系について計測を行ない,主流の定義,地図の縮尺,永流の屈曲性,あるいは流域の形状変化などを考慮にいれて,ハックの法則についての再検討と考察を行なった.
その結果, rは0.5よりも大きく, Hackの得た値と極めて近い値を示した.またrが0.5よりも大きくなるのは,水流の屈曲性と流域の形状変化の2つの影響によるところが大であった.