抄録
山地内での各種の営力による土砂流送の平均的な機構を示す式が,掃流砂量式の一般形
QB=Cτα(QB:掃流砂量,τ:掃流力,C,α:定数)
によって近似できるものとし,これと流れの連続式などから導いた斜面の縦断形変化を記述する式(Mizu-tani,1974)により得られる計算値と,実際の山体の侵食量の測定値とが最もよく一致する条件を求めた結果,α=3~3.5が得られた.従来の掃流砂量式のαは,ほぼ1~2.5である.
α=3.3とした場合の斜面変化を記述する式により,山体の侵食速度を反映している地形要因を求め,断層崖や谷壁の発達について考察した.また,開析が進んでいる流域の主谷の縦断形が,対数関数で示されることを水系網の法則から導き,モデル縦断形,断層崖の開析谷および火山放射谷の縦断形が分水界の位置を適当に移動させることによって,片対数グラフ上でほぼ直線になることを示した.