地理学評論
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埼玉県草加市における土地利用-その現状と評価
高橋 潤二郎村上 研二久保 幸夫
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1978 年 51 巻 7 号 p. 528-544

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抄録

大都市周辺部における農村的土地利用から都市的土地利用への急激な変化は,自然条件を無視した土地利用および相互に相容れない土地利用の並存という,2つの大きな問題点を含むことによって,さまざまな「環境問題」をもたらしている.このうち,後者は都市計画の基本原理にかかわるものであり,行政上もきわめて重要な問題である.多様度および相互作用度という,2つの測度による草加市の土地利用分析および土地利用転換のシミュレーションの結果では,多様な土地利用およびそれらの間の相反性による問題地域の存在ないしは発生が,きわめて明らかである.こうした土地利用の評価の結果は,とくに都市計画行政において,問題地域の識別,さらにはさまざまな効果の予測という2点で,きわめて有効なものと考えられる.

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