抄録
名古屋大都市圏において,社会・経済的地域特性からみた等質地域の構造,および域間通勤人口流動からみた結節地域の構造を分析し,さらに2者の関係を分析した.その結果,等質地域の構造は,商業活動,工業活動,ホワイトカラー雇用,農業活動,人口動態,人口構成,都市的土地利用,および第2・3次産業就業因子によってその大部分が規定され,空間的には名古屋市の中区を中心とする同心円的配列がみられることが明らかになった.また,結節地域の構造は,部分的に重複し合った数多くの結節地域によって規定され,空間的にはこれらの重層的な組織体として認識できることが明らかになった.さらに正準相関分析を行なってこれらの関係を要約した結果,域間通勤人口流動に基づく結節地域の構造は,主として商業活動,工業活動,人口動態,および就業構成等の等質地域の構造を規定する因子の地域的差異によってもたらされており,逆にこれら因子の地域的差異は,域間通勤人口流動の地域的構造によってもたらされていることが推察された.