抄録
敗戦前の飯塚浩二の研究活動を,留学とその直前(1930年春~1934年末)・帰国値後(1935年初~1938年3月)・支那事変期(1938年4月~1941年春)・大東亜戦争開戦前後(1941年夏~1942年春)・大東亜戦争中期(1942年夏~1943年春)・大東亜戦争後期(1943年夏~1945年夏)の6期に分け,それぞれの時代の情況に彼がどう対応したかを振り返った.それを大別すると,直接には情況に関与しなかった支那事変期までと深く関与する大東亜戦争開戦前後以降とになる.そして,時代と共に生きた彼の情況への関与の仕方には,次のような特徴があることがわかった. 1. 反体制的な関与はしない. 2. 情況を突き放して対象化する傾向が強い. 3. 情況の先取りをしない. 4. 意図した便乗はしない.