地理学評論 Ser. A
Online ISSN : 2185-1735
Print ISSN : 0016-7444
ISSN-L : 0016-7444
19世紀前半における日本の自然季節の長短と季節進行
束村 康文
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 65 巻 8 号 p. 619-634

詳細
抄録
天気分布型の半旬別出現率に基づいて自然季節区分を行なった.その結果,1年を大きく5つの季節に分け,さらに各季節を細分した.それは,冬季(初冬期,真冬期,晩冬期に細分),春季(春の湿潤期と梅雨の走り期の存在のみ指摘),梅雨季,夏季(盛夏期,夏の湿潤期),秋季(秋雨期,秋晴れ期,晩秋期)である.19世紀前半(1811~1840年)は最近30年間,(1960~1989年)に比べて,冬季,梅雨季,夏季は短く,春季,秋季が長かった.19世紀前半の季節の進行は,春季の開始は最近30年間と変わらないが,梅雨季の開始は遅れていた.“盛夏期”の開始と終了には変化はみられず,秋季の開始は早くなっていたが,“初冬期”の開始は再び遅れて,“真冬期”の開始と終了には変化はみられず,“晩冬期”の終了は変わらなかった.また“秋雨期”と“秋晴れ期”の境が明瞭でなかった.
著者関連情報
© 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top