Geographical review of Japan, Series B
Online ISSN : 2185-1700
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クウェートにおける主な死亡原因の地域パターン
アジズ M.M.
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1989 年 62 巻 1 号 p. 1-13

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抄録

本研究はクウェートにおける3大死亡原因を地域的に考察したものである。クウェートの人口は,クウェート人と非クウェート人の2つの明瞭に異なるコミュニティから成り立っており,両グループの社会的,経済的,人口学的性格は死亡の分布に大きく影響している。
死亡率は,死因に関する国際的分類により10万人ごとに算定した。主な死因は腫瘍,循環器系疾病,事故傷害の3つで,これらで全国の死亡の3分の2近くを占める。特に循環器系疾病による死亡率は高く,次いで事故傷害,腫瘍の順である。
クウェート人の間の死亡率は非クウェート人のそれよりも高い。また,両コミュニティとも,女子より男子の方が死亡率が高い。地域的には,クウェート市を含む首都地区とジャハラ地区で特に高い。移民は,事故傷害にかかりやすい。

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