日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会誌
Online ISSN : 2435-7952
総説
好酸球性副鼻腔炎治療における内服ステロイド薬の役割
秋山 貢佐
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2024 年 4 巻 3 号 p. 139-142

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抄録

好酸球性副鼻腔炎(ECRS)の治療において内服ステロイド薬(OCS)は重要かつ必須となる薬剤である。OCSはECRSに著効し,使用後早期から病態を改善しうるが,反面過度な使用により生命予後にかかわるような重大な副作用が生じるリスクもある。ECRSに対するOCSに関しては明確な指標がなく,使用薬剤・用法用量・使用の適応基準などは各施設や医師により様々で統一されてはいない。近年,難治例に対して生物学的製剤の適応が追加されたこともあり,これまでのOCS使用方法が見直され,副作用の面から長期使用,頻回使用を避けるべきであることが再認識されてきている。OCSを上手に使う,とはOCSの盲目的・無駄な使用を回避し必要時に必要量のみを使用する,ということであり,そのためには手術を含めたOCS以外の治療選択や管理の工夫が重要である。本稿では1.合成ステロイドの種類,基礎知識,2.周術期のOCS使用,3.長期管理時のOCS使用について概説する。

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© 2024 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会
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