地理学評論
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介護保険制度導入に伴うデイサービスセンターの立地とサービス空間の変化
藤沢市の事例
畠山 輝雄
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2004 年 77 巻 7 号 p. 503-518

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抄録

介護保険制度が2000年に導入されたことにより,高齢者福祉施設の利用に大幅な変化が生じたといわれている.本稿は,その中でも最も介護保険制度の影響が大きいと考えられるデイサービスセンターの立地とサービス空間の変化を明らかにすることを目的としている.デイサービスセンターは,高齢者福祉施設の中で最もサービス空間が狭域であり,従来の都道府県,市区町村別の分析では十分な把握が困難であるため,住区別に分析を行った.介護保険制度導入の結果,民間経営の定員の少ない施設が多く立地するようになった.そして,行政による措置制度が廃止されたことにより,各施設のサービス空間は施設を中心とした広がりへと変化し,地域的に拡大した.各住区においてデイサービスセンターの競合が生じており,福祉関連業界においても自由競争が生じ始めている.

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