日本地熱学会誌
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アルジェリアにおける地熱開発の進展
サイビ ハキム江原 幸雄藤光 康宏西島 潤
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2006 年 28 巻 4 号 p. 383-397

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抄録
アルジェリアには240カ所以上の温泉がある。アルジェリアにおける地熱エネルギーのタイプは一般に低エンタルピーのものである。主な自然湧出泉および坑井を通して放出される全放熱量は約642MWである。地質学的および熱学的考察から、これまで3つの地熱地域が識別されてきた。それらは、1)アルジェリア北西部のテレムセニアンドロマイトに関係するもの、2)アルジェリア北東部の炭酸塩に富む地層に関係するもの、および、3)アルジェリア南部にあるサハラ砂漠の後期白亜紀の砂岩層の貯留層に関係するものである。アルジェリアの北東部の温泉は地球化学的に見て大変興味深い。北東部温泉の温泉水中に含まれるガスの地球化学的温度は198℃程度である。北部および南部の温泉に関しては、2つの地熱系概念モデルを提案することができる。アルジェリアにおける温泉利用の主なものは、医療、室内暖房およびグリーンハウスの暖房である。それらのうち8つの温泉では、公共の温泉施設で、医療に用いられている。
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