宝石学会(日本)講演会要旨
平成30年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
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平成30年度 宝石学会(日本) 一般講演要旨
教材としての宝石活用の試み-真珠を例として
*嶽本 あゆみ田邊 俊朗
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p. 22

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抄録

【緒言】

真珠は生物由来物質の中で宝石として扱われる代表的なものであり、沖縄県においては石垣島で黒蝶真珠の養殖が行われている。沖縄工業高等専門学校生物資源工学科は、沖縄の生物資源すなわち生物由来物の産業化を目標の一つに掲げているが、現在のところその中心となるものは食品等の機能性物質や、有用微生物の探索等が中心であり、美しさを主眼とした生物資源に関する研究は後れを取っている。そこで本研究では、美ら海や、やんばるの「美しいもの」を生物資源として活用する研究・教育の足がかりとして、高専本科一年の実験授業において真珠の取扱を試みた。

【方法】

沖縄工業高等専門学校生物資源工学科本科一年生の専門必修科目である「バイオテクノロジー基礎実験」において、生物スケッチの基礎を学ぶ実験として市販の真珠缶(真珠採取キット)を利用し、解剖の途中で学生に真珠を発見させた。事前に真珠に関しての情報提供は行っていない。なお、平成 29 年度は淡水真珠が得られるカラスガイ(真珠採取キット)を用いた。

【結果】

実験後提出されたレポートにおいて、スケッチに明確に真珠を記していた学生は 40 名中 15 名、結果において真珠の存在に触れていたのは 12 名、真珠について文献調査などを行っていたのは 22 名であった。

平成 30 年度はアコヤガイの真珠採取キットを用いて同様の解剖実験を行う予定であり、これらの比較についても報告する。

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