抄録
市販12%金銀パラジウム鋳造用合金の冷却法が合金の凝固組織にどのような影響を与えるかをTEM,SEM およびX線回折から検討した。
その結果、通常の冷却法ではα1、α2、βの3相が出現するが、急速冷却法ではα相単相で、β相は出現しないことが判明した。両材料に対して、1123Kで 溶体化熱処理を行っても通常凝固試料の組織はα、βおよび規則相であるβ’の3相で、急冷凝固試料ではα相単相のみであることが判明した。なぜ、通常凝固試料の組織は1123Kの溶体化熱処理でα単相にならず、混合相のまま存在するのかを検討した。