抄録
前回の日本歯科理工学会学術講演会で、α型リン酸三カルシウム(αTCP)を基材粉末とするリン酸カルシウムセメントへ炭酸カルシウム(アラゴナイト)ウィスカーの複合を検討した結果を報告した1)。そのウィスカー添加により硬化体中には炭酸アパタイトの生成が確認され、さらに硬化体に対して著しい強化効果が得られることがわかった。そこで本研究では, 炭酸カルシウムウィスカーを複合したりリン酸カルシウムセメント硬化体の炭酸アパタイト生成と強化の機構に関して詳細な検討を行った。
以上、リン酸カルシウムセメントへ適用したアラゴナイトウィスカーは、硬化体組織を緻密にする効果と繊維形状効果により強化に寄与できることを明らかにした。さらに炭酸アパタイトを生成できることから、骨代替材料として有効であることが示唆された。