抄録
前二報1, 2)で, 高齢化社会におけるデンチャープラーク·コントロールの重要性から, アパタイトを基材とする抗菌剤を添加した義歯床用レジンを試作し, その抗菌性について報告した. 本報では, それら試作レジンの6ヵ月水中浸漬後の抗菌効果の持続性と曲げ強さ, 耐変色性を評価した.
添加群の生存菌数はいずれもコントロールに比較して1/10∼100であり, 6ヵ月後も抗菌効果は持続していた. しかし, 対照とした5%HAp添加群でも減少しており, その効果が何によるものか, さらに検討を要する. Fig. 1に示すように, 抗菌剤添加レジンの曲げ強さはコントロールに比較してやや低いものの, 6ヶ月水中浸漬後もほとんど変化は認められなかった. 弾性率はコントロールと有意差は無く, また浸漬の影響も認められなかった. たわみ量も5%HAp添加群を除き, コントロールと有意差は無く, 6ヵ月後も有意な低下は認められなかった.
しかし, いずれも透明レジンを使用していることを考慮すると, 実際の着色床用レジン材ではほとんど認知できない程度の変色と考えられる.