肺癌
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第21回肺癌集検セミナー
低線量CT肺癌検診の有効性評価
中山 富雄鈴木 隆一郎
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キーワード: 肺癌検診, 低線量CT, 死亡率
ジャーナル オープンアクセス

2006 年 46 巻 7 号 p. 871-876

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抄録

目的.低線量CTは,肺癌発見率の向上・発見肺癌の腫瘍径の小型化・I期例の増加・高い生存率という点で注目されている.しかしこのような症例単位での研究は,偏りの影響を受けやすく,癌検診の評価としては,癌死亡率をエンドポイントとした疫学研究が必要である.方法と結果.Japan Lung Cancer Screening Study(JLCSS)は,肺癌死亡率をエンドポイントとするコホート研究である.1995年から行われたCT検診の受診者46,733人と単純X線検診受診者91,970人を登録し,2002年まで追跡している.結論.この研究結果に加えて,高い要精検率・高い費用・放射線被曝という三つの不利益を解消することが,低線量胸部CT検診にとっての課題であり,解決されない状況での普及は推奨できない.

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© 2006 日本肺癌学会
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