肺癌
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症例
副鼻腔転移をきたした肺腺癌の1例
酒井 麻夫岩佐 桂一前田 宜延木村 英晴笠原 寿郎藤村 政樹
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キーワード: 副鼻腔転移, 肺癌
ジャーナル オープンアクセス

2008 年 48 巻 6 号 p. 715-720

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抄録

背景.肺癌の頭頸部への転移は比較的高い頻度で認められるが,副鼻腔転移は極めて稀である.今回われわれは,経過中に副鼻腔転移を認めた症例を経験した.症例.症例は56歳,男性.1年半にわたる肺癌治療経過中に鼻出血が出現した.頭部CTでは両側前頭洞,左側篩骨洞・上顎洞・鼻腔にかけて腫瘤性病変を認めた.生検による病理組織像は原発巣と同一の腺癌であった.初回入院時の頭部MRIをレトロスペクティブに検討したところ,左篩骨洞に腫瘤陰影があり,初診時にすでに副鼻腔転移を認めていたものと考えられた.結論.副鼻腔転移は治療経過中に認められる報告が多いが,初診時にも無症状の副鼻腔転移を有する場合があり,慎重に診断して観察する必要がある.

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© 2008 日本肺癌学会
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