肺癌
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総説
上皮成長因子受容体遺伝子変異は喫煙·性別とは独立に肺腺癌患者のゲフィチニブ治療における予後に関係する
豊岡 伸一高野 利実高坂 貴行堀田 勝幸松尾 恵太郎市原 周治藤原 義朗宗 淳一大谷 弘樹木浦 勝行青江 啓介谷田部 恭大江 裕一郎光冨 徹哉伊達 洋至
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2009 年 49 巻 4 号 p. 409-415

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抄録

目的.ゲフィチニブ投与患者では上皮成長因子受容体(EGFR)変異例で予後が良いことが報告されている.一方,喫煙,性差はEGFR変異に影響し,さらに,肺癌の予後因子であることが示唆されている.本研究では,EGFR変異,性差,喫煙が,ゲフィチニブ治療を受けた肺腺癌患者の生存期間に与える影響を検討した.対象と方法.ゲフィチニブにより治療された肺腺癌患者362例において,EGFR変異,性差,喫煙が全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)に及ぼす影響を評価した.結果EGFR変異は169例(46.7%)に認めた.多変量解析では,変異例で野生型例に比べOSおよびPFSが有意に長かった(P<0.001).EGFR変異の有無による群別で性差,喫煙量は,OSおよびPFSの延長とは関連がなかった.一方,性別,および,喫煙により分類した群別での解析では,EGFR変異は,OS,PFSの延長と有意な関連を認めた(P<0.001).結論.本検討から,ゲフィチニブ投与を行う患者を選択する際,EGFR変異は重要な指標であると考えられる.

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© 2009 日本肺癌学会
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