肺癌
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第23回日本肺癌学会肺癌ワークショップ
Epidermal Growth Factor Receptor(EGFR)遺伝子変異アッセイ方法の比較と問題点
萩原 弘一
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ジャーナル オープンアクセス

2009 年 49 巻 6 号 p. 928-933

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抄録

目的.非小細胞肺癌患者の治療方針決定において,EGFR遺伝子変異検査の有用性を示すデータが報告されてきている.現在利用可能なEGFR遺伝子変異法を比較検討する.方法.ダイレクトシークエンス法,PNA-LNA PCR clamp法,PCR invader法,Scorpion ARMS法,Mutant-enriched PCR法,Cycleave法,High-resolution mutation analysis法,SMAP法に関して文献的に考察する.結果.肺癌臨床検体のうち,手術切除検体は多量の癌細胞を含むため,ダイレクトシークエンス法でEGFR遺伝子変異検査が行なえると考えられるが,細胞診検体では癌細胞の含有率が少なくなる可能性がある.病理検査で癌細胞が確認された場合,癌細胞の含有率は1%以上と思われる.この場合,高感度法を用いれば,EGFR遺伝子変異が検出可能である.結論.細胞診検体からのEGFR遺伝子変異の検出には高感度法が必要である.今後,EGFR遺伝子変異検査法の品質管理が必要となると考えられる.

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© 2009 日本肺癌学会
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