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肺癌
Vol. 52 (2012) No. 2 p. 136-141

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http://doi.org/10.2482/haigan.52.136

総説

我々はcDNA発現レトロウイルスライブラリーの技術を用いて,微小管会合タンパクEML4と,受容体型チロシンキナーゼALKのチロシンキナーゼ領域を含む細胞内領域とが融合した新規融合型癌遺伝子EML4-ALKが約4~5%の非小細胞肺癌症例で発現していることを発見した.EML4内の二量体化領域によりEML4-ALKは恒常的に二量体化され活性化されることで,EML4-ALKは非常に強い癌化能を有している.EML4-ALKを導入したトランスジェニックマウスは生後数週で肺癌を形成し,同マウスにALK阻害剤を投与したところ,肺癌は速やかに消失したことから肺癌の新しい分子標的療法になることが期待され,既に本融合型遺伝子陽性肺癌患者を対象としたALK阻害剤であるcrizotinibによる第I/II相臨床試験も終了し,その著しい効果が報告された.また我々は本薬剤に耐性となった症例を経験し,薬剤耐性の原因となる遺伝子変異も発見した.今後ますますALK融合型肺癌とその治療薬が注目されると予想される.

Copyright © 2012 日本肺癌学会

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