肺癌
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症例
空洞性結節を呈した肺原発悪性リンパ腫の1切除例
岩浪 崇嗣桑田 泰治岩田 輝男川口 誠
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 52 巻 3 号 p. 296-299

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抄録
背景.肺原発の悪性リンパ腫は比較的稀な疾患である.多彩な画像所見をきたし,診断に難渋することが多い.症例.56歳,男性.検診において胸部X線写真で異常陰影を指摘され,CTで左肺上葉に空洞性結節を認め,当科紹介受診となった.診断および治療目的で手術を行い,術中迅速病理組織診断で肺悪性リンパ腫と診断された.術後,化学療法を施行し,再発所見を認めず,現在も寛解状態である.結論.今回,CTで空洞性結節を呈した肺原発悪性リンパ腫の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.肺原発悪性リンパ腫は多彩な画像所見を呈するため,肺腫瘤を認めた時点で,肺原発悪性リンパ腫を鑑別に挙げ,診断および治療の一つとして切除が有効なことを念頭におく必要があると考えられた.
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© 2012 日本肺癌学会
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