肺癌
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症例
歯肉転移で発見された粘液産生充実型肺腺癌の1剖検例
上野 学前野 敏孝竹村 仁男折居 美波須賀 達夫倉林 正彦
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2013 年 53 巻 7 号 p. 876-881

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抄録
背景.肺癌の歯肉転移は非常に稀である.われわれは肺腺癌の歯肉転移症例を経験したので,文献的考察とともに報告する.症例.43歳の男性.2012年3月に齲歯のため右奥歯を抜歯したが,その後歯肉腫脹が持続し,紹介となった.歯肉生検より未分化癌と診断された.全身検査を行ったところ,右肺に腫瘤性病変を認めた.CTガイド下生検で腺癌と診断されたが,肺癌の歯肉転移か歯肉癌の肺転移か鑑別困難であった.原発性肺癌として右上顎に放射線治療を行い,全身化学療法を行ったが効果に乏しく,11月に呼吸不全のため永眠した.剖検では低分化型粘液産生充実型腺癌であり,歯肉の病変は肺腺癌の転移と診断された.結論.歯肉転移では摂食障害・呼吸障害が生じ,QOLが低下する.早期の診断,初期からの積極的な治療と十分な緩和ケアが必要である.
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© 2013 日本肺癌学会
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