肺癌
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症例
心膜原発悪性中皮腫の1剖検例
山下 理奈子玉岡 明洋瀧 玲子宮崎 泰成稲瀬 直彦明石 巧
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2014 年 54 巻 3 号 p. 158-164

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抄録

背景.心膜原発悪性中皮腫は稀であり,予後不良の疾患である.症例.64歳男性,元電気工.ネフローゼ症候群にて通院中に胸部X線にて心膜肥厚と左胸水を指摘され,収縮性心膜炎と診断された.内服加療を受けていたが,徐々に労作時呼吸困難と嗄声が出現,当科入院となった.急速な心不全の進行により永眠され,剖検にて心膜原発悪性中皮腫(上皮型)と診断された.結論.心膜中皮腫の早期診断は困難であるが,収縮性心膜炎の鑑別において念頭に置くべきと思われた.

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© 2014 日本肺癌学会
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