肺癌
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第28回日本肺癌学会ワークショップ
気管支鏡診断―自家蛍光気管支鏡を中心に―
大平 達夫池田 徳彦
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2014 年 54 巻 6 号 p. 831-834

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抄録

目的.中心型早期肺癌の多くに気管支鏡的治療が適応されるようになり,その診断が一層重要になってきた.しかし平坦型の症例で粘膜の変化が軽微な場合は,通常の気管支鏡で発見が困難なことが多い.これらの病変をより早期に診断することが臨床的に望まれている.方法.自家蛍光気管支鏡(AFB)の気管支早期病変に対する臨床上の有用性を,過去に報告された研究と自験例を用いて評価した.結果.中心型肺癌のうち,進行癌に対しては通常の気管支鏡とAFBでは感度の差がないと考えられる.一方,早期癌および異型扁平上皮などの病変に関しては,AFBは高い感度を示し,診断率の向上に寄与すると認識される.同時に病変の粘膜浸潤範囲の把握も容易であり,気管支鏡的治療の際の支援になることが示唆された.結論.中心型肺癌の診断と治療に際しては,通常の気管支鏡にAFBを併用することが有用である.

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© 2014 日本肺癌学会
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