肺癌
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第28回日本肺癌学会ワークショップ
気管支鏡診断ナビゲーション
浅野 文祐
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 54 巻 6 号 p. 843-847

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抄録
肺末梢病変の確定診断として経気管支生検は,経皮生検より合併症が少ないが,診断率が低く,気管支鏡や生検器具を病変に誘導することが重要である.仮想気管支鏡ナビゲーション(virtual bronchoscopic navigation,VBN)は,末梢病変への気管支ルートの仮想気管支鏡画像を使って,直視下に気管支鏡を誘導する方法で,専用のシステムが市販されている.VBNはCTガイド下極細径気管支鏡検査,ガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS),X線透視および非X線透視下気管支鏡と併用され,肺末梢病変に対する診断率は74%,2 cm以下の病変では67.5%と報告されている.ランダム化比較試験において,EBUS-GSとの組み合わせでVBNは診断率を向上させること,X線透視下極細径気管支鏡では,サブクラス解析で右上葉,肺野外層に位置する,X線透視で見えない病変で診断率を向上させることが示された.VBNの診断率を上げるためは,CTで病変と仮想気管支鏡像の基となる抽出された気管支の関係を把握し,適切な気管支鏡検査手技と組み合わせることが大切である.VBNは気管支鏡検査をサポートする有用な方法であり,さらなる普及とシステムの進化が望まれる.
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© 2014 日本肺癌学会
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