2019 年 59 巻 2 号 p. 123-127
近年の検出技術の進歩とともに,病理検体は形態診断のみでなく,治療予測因子であるタンパク質発現や遺伝子診断の重要な情報供給源となってきている.日常診療での取扱いや長期保管などの観点から病理部では主にホルマリン固定パラフィン包埋検体が使用されているが,ホルマリンの化学修飾による固定はタンパク質や遺伝子の質に影響を与えることが知られている.それ以外にも多数の影響因子(冷阻血時間,固定液の種類,固定時間,パラフィン温度)とそれらの適切な条件を知ることで,標本作製工程で起こりうる負の影響を最小限に抑えた検体の作製が可能となる.