肺癌
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症例
自然退縮を認めた肺腺癌の1例
田中 陽子長田 由佳藤並 舞田子 謙太郎竹嶋 好佐々木 義明
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 59 巻 5 号 p. 476-481

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抄録

背景.悪性腫瘍の自然退縮は,稀ではあるが報告されている.肺癌での報告もあり,免疫学的機序の関与などが推測されているが原因は明らかではない.症例.80代,男性.2013年5月,早期胃癌に対し内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行された.2014年11月,胸部CT上左上葉に増大する結節影が認められ,精査加療目的に同年12月当科紹介となった.気管支鏡検査の同意が得られず,画像フォローをしていたが,肺結節の増大とCEAの上昇を認めたため再度説得し,2015年6月に気管支鏡検査を施行.低分化腺癌と診断された.高齢を理由に治療を拒否され,画像で経過観察した.FDG-PET検査では結節影のほか縦隔・鎖骨上窩リンパ節にも集積していたが,その後無治療で腫瘍は縮小,CEA値とFDG-PET検査の集積も改善した.この間生活習慣の変化はなく,新たな薬やサプリメントの摂取も行っていない.しかし,自然退縮から約3年半後再増殖した.結論.肺腺癌での自然退縮の症例を経験した.本邦・海外を含め稀少であるため,若干の文献的考察を含めて報告する.

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© 2019 日本肺癌学会
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