2019 年 59 巻 5 号 p. 487-489
背景.若年者肺癌は少なく,特に20歳未満で初期肺癌手術例は極めて稀である.症例.17歳,女性.右背部痛を主訴に当科を紹介受診した.腫瘍マーカーを含む検査結果に異常は認めなかった.胸部computed tomography(CT)で右肺尖部に径8 mmのすりガラス影(ground-glass opacity;GGO)を認めた.3か月および5か月後にCTを再検したが,陰影に変化は認めなかった.胸腔鏡下に右肺部分切除を施行し,adenocarcinoma in situと診断した.結論.若年者,特に10歳代においても,肺野にGGOを認めた場合には肺癌の可能性を考慮する必要がある.