2019 年 59 巻 7 号 p. 1151-1155
背景.縦隔血管腫は稀な疾患で,術前診断が困難である.症例.30歳,女性.38℃の発熱と激しい胸痛があり,胸部X線検査で左下肺野腫瘤影を認め当科紹介となった.胸部CTで左後縦隔に径100×65 mmの低吸収,辺縁整な腫瘍と,左下葉に無気肺を認めた.胸部MRIでT1低信号,T2高信号の左後縦隔腫瘍を認めた.CTガイド下生検を施行し,リンパ管嚢腫疑いで完全胸腔鏡下手術を施行した.永久標本ではdesmin陽性,CD34陽性で血管腫の診断であった.結論.左下葉無気肺を呈する巨大後縦隔血管腫に対して,胸腔鏡下にて摘除した1例を経験した.