2019 年 59 巻 7 号 p. 1156-1161
背景.免疫チェックポイント阻害剤は非小細胞肺癌に対して有効性が認められているが,大細胞神経内分泌癌に対する有効性は明らかでない.症例.51歳,男性.頭痛,嘔吐,めまいを自覚し脳梗塞疑いで近医搬送となった.右肺腫瘍および小脳と大脳の転移性脳腫瘍を指摘された.切除された小脳病変から大細胞神経内分泌癌と診断され,肺原発として当科紹介となった.進展型小細胞肺癌に準じて,3次治療まで施行したが病勢進行となり,4次治療としてニボルマブを導入した.部分奏効が得られ,21コースまで継続中である.結論.大細胞神経内分泌癌に対して免疫チェックポイント阻害剤が有効な症例が存在する.