2020 年 60 巻 2 号 p. 74-80
血管新生阻害薬,ドライバー遺伝子変異に対する阻害薬,免疫チェックポイント阻害薬の登場により進行非小細胞肺癌に対する薬物療法は大きく変貌した.一方,間質性肺炎合併非小細胞肺癌に対する薬物療法は限られた薬物の使用にとどまり,そのエビデンスは乏しい.間質性肺炎合併非小細胞肺癌に対する血管新生阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬の有効性や安全性の情報は乏しく,臨床医にとってclinical questionとなっている.近年,間質性肺炎合併非小細胞肺癌に対する薬物療法の前向き臨床試験がいくつか実施され,その結果が報告されている.本稿ではそれらをもとに間質性肺炎合併非小細胞肺癌に対する薬物療法について概説する.