肺癌
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症例
免疫チェックポイント阻害薬投与中,中咽頭癌への放射線照射でアブスコパル効果を認めた肺扁平上皮癌の1例
中村 香葉市原 英基柴田 祐作村上 悦子宮原 信明岸野 大蔵
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2021 年 61 巻 2 号 p. 109-112

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抄録

背景.放射線治療により標的腫瘍だけでなく離れた非標的腫瘍も縮小する現象として,アブスコパル効果が知られる.通常,同一癌の原発巣と転移巣あるいは転移巣間で生じる現象として知られるが,他癌腫への照射後のアブスコパル効果に関する報告はこれまでにない.症例.50歳代女性.原発性肺癌と中咽頭癌の重複癌と診断された.原発性肺癌に対する二次治療としてニボルマブ投与後,肺癌は腫瘍サイズの増大を認めなかった(stable disease)が,咽頭癌の増大を認めたため,同部位に対して放射線照射を行った.放射線治療終了後,照射野外である原発性肺癌の縮小を認めた.結語.中咽頭癌に対する放射線照射後原発性肺癌が縮小した症例を経験した.他癌腫への放射線治療であってもアブスコパル効果が生じうることを示唆する症例と考えられた.

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© 2021 日本肺癌学会
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