2022 年 62 巻 7 号 p. 989-995
目的.細胞診検体で次世代シーケンシング(NGS)が可能な肺がんコンパクトパネルの有用性を検討する.研究方法.2021年12月から2022年2月までに肺癌疑い症例に気管支鏡,胸水穿刺を行い肺がんコンパクトパネルでNGSを施行した10例を後方視的に検討した.結果.10例12検体の内訳は,肺腺癌6例,肺扁平上皮癌1例,小細胞肺癌1例,腎細胞癌1例,器質化肺炎1例であった.検体は気管支擦過7検体(気管支擦過1回,生検鉗子洗浄1回),EBUS-TBNA 2検体(穿刺1回),胸水1検体(穿刺1回)で1例は同一病変に対して生検1回+気管支擦過1回,生検1回,気管支擦過1回の3検体を提出した.遺伝子解析は10例すべてで成功し,肺腺癌でEGFR L858R 1例,KRAS G12D 1例,KRAS G12V 1例,肺扁平上皮癌1例でKRAS G12Vの遺伝子変異を認めた.肺腺癌の癌性胸水5 ml(class V)とEBUS-TBNA 1回の穿刺でもNGSに十分量の核酸が得られた.結語.細胞診検体を用いた肺がんコンパクトパネルで高精度なNGSが可能である.