2023 年 63 巻 4 号 p. 285-291
目的.細胞診検体を用いた肺がんコンパクトパネル™検査(CP検査)を実臨床に導入し,同時にホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)検体を用いた従来の肺がんマルチプレックス遺伝子検査(従来検査)と比較した.研究方法.2021年6月から2022年12月までの肺がん疑い症例(検体58件,症例57例)の気管支鏡やCTガイド下針生検および胸水などの細胞診検体をCP検査に提出し,同時に生検組織のFFPE検体に対し従来検査(オンコマインDx Target TestマルチCDxシステム,ODxTTまたはAmoyDxⓇ 肺癌マルチ遺伝子PCRパネル,Amoy検査)を行い,その結果を比較した.結果.非肺がん検体2件を除く肺がん検体56件中54件でCP検査は解析可能であった.一方,従来検査では検体量不足などのため,40件のみ結果を得た.両検査において36件で結果は一致し,残りの4件はCP検査のみ陽性であった.この4件中2件は他のコンパニオン診断にて遺伝子変異陽性が確認でき,分子標的薬の1次治療を開始できた.結語.実臨床では細胞診検体のCP検査はFFPE検体の従来検査より検出感度や実用性に優れ,有用性が高い.