2024 年 64 巻 4 号 p. 276-282
非小細胞肺癌のI~II期とIII期の一部では,外科切除が治療の中心を担ってきた.外科切除のみでの治療成績は十分であるとは言えず,周術期に細胞障害性抗癌剤を追加する試みが行われてきた.しかし,進行肺癌に対する目覚ましい治療開発と比べて,周術期薬物療法においては目立った新規治療の臨床応用は最近までなかった.しかし,近年進行肺癌で成果を挙げた免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬の周術期への臨床導入が行われるようになり,周術期薬物療法は新たな時代に入った.最新の臨床試験結果を踏まえ,非小細胞肺癌の周術期薬物療法について解説する.