肺癌
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気管支における発癌過程の実験的解析
小林 延年
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1979 年 19 巻 1 号 p. 71-79

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抄録
ヒト肺癌 (肺門部大気管支発生) に最も近似していると考えられる実験的肺癌の発生実験について述べた.イヌを用い自家遊離気管支を皮下に移植し, この内腔に3-Mehylcholanthrene, 3, 4Benzo (a) pyreneを注入後, この限局した気管支部での発癌過程を試験切片の検索を加え組織学的, 電顕的に追求した.扁平上皮癌の発生に先立って種々の程度の扁平上皮化生が見られ, 電顕的にはこの部に核の変化及び細胞間結合などに特徴的な変化が見られた.早期前癌性変化の組織形態或いは標識細胞群の諸性状が今後明らかにされてゆくことが期待され, 発癌前後の気管支上皮の形態について臨床的, 実験的研究の方法論につき考察した.
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© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
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