抄録
抗腫瘍性多糖の一つであるSchizophyllan (SPG) の非切除原発性肺癌症例に対する臨床効果を検討するため, 放射線療法, 化学療法を基盤とし, これにSPGの投与の有無を封筒法により割付けるrandomized controlled studyを行い241例について検討した.その結果, 腫瘍縮小効果は認められなかったが, 有意な延命効果 (p<0.01) が認められた.また, 宿主免疫能パラメーターのいくつかに低下防止効果が認められた.副作用は9例 (5.5%) に認められた.以上の結果から, SPGは非切除原発性肺癌症例に対して放射線療法, 化学療法との併用において有用な薬剤と考えられる.