内視鏡無所見の末梢型肺癌60例に病巣気管支洗浄を施行し, 得られた洗浄液の細胞診をを行ない, つづいて擦過細胞診を施行し, その陽性率について比較検討した.また, 洗浄液中のCEA濃度を測定した.
洗浄液細胞診の陽性率は63%で, 擦過細胞診の陽性率 (77%) には及ばなかったが, 擦過細胞診陰性の14例のうち6例が洗浄液細胞診が陽性であり, 洗浄法と擦過法を併せると87%の診断率であった.病巣気管支洗浄法は擦過法が部位的に困難な場合にも有効な手段である.また, 洗浄液中CEA濃度は肺癌において高く, 洗浄液中CEA濃度の著明な上昇は肺癌を示唆するものと思われた.
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