1986 年 26 巻 3 号 p. 279-287
原発性肺癌86例において, 各種腫瘍マーカーを測定した.それぞれの陽性率は, TPA81.8%, IAP91.1%, CEA68.8%, フェリチン38.1%であった。各腫瘍マーカー相互の相関は, 扁平上皮癌と腺癌とで相違がみられ, コンビネーションアッセイにおいて組織型を考慮する必要があると思われた.また, IAP, TPAはともに, 生存期間と相関が認められたが, TPA×IAP値は, さらに高い相関がみられ, 予後判定の有用な指標と思われた.