1992 年 32 巻 2 号 p. 163-170
肺門部肺癌とその二次変化の鑑別にっき18例に対しMRIを施行した.そして, 腫瘍と二次変化を同定するためのMRIの有用性について信号強度とT2強調像での索状高度高信号 (mucous bronchograms) の点から検討した.MRIの信号強度のみでは18例中10例 (56%) が鑑別可能であった.mucous bronchogramsを検討したところ, 二次変化を持つ18例中11例に認められた.この徴候を呈し切除された6例でこれがmucoid impactionに一致していた.この徴候と信号強度によるとMRIでは18例中13例 (72%) で腫瘍と二次変化の鑑別が可能であった.これはCTでの14例中7例 (50%) よりも良好であったが有意差はなかった.mucousbronchogramsはmucoid impactionを反映しており腫瘍と二次変化の鑑別に有用である.