肺癌
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両側気管支内腔にポリープ状腫瘤を認めた原発性肺腺癌の1例
青木 洋介末岡 尚子中原 快明黒木 茂高加藤 収山田 穂積
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1993 年 33 巻 6 号 p. 941-945

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抄録

症例は75歳の男性で乾性咳嗽を主訴とし, 胸部X線写真で左下肺野に浸潤影を認めた. 気管支鏡で左B9入口部を閉塞するポリープ状腫瘤が認められ, 表面には一部壊死物質が付着していた. また, 対側の右B9入口部にも同様のポリープ状腫瘤を認め, 共に低分化型腺癌と診断された. 他臓器悪性腫瘍からの気管支内腔転移を疑い全身的検索を施行したが, 肺外諸臓器には異常を認めなかった. 胸部CTでは左B9ポリープ状腫瘤に隣接する原発巣と考えられる径3cmの充実性腫瘤と, 両側に肺内転移巣を示唆する複数の小結節影が認められた. 右B9入口部の腫瘤は, CT所見では気管支内腔病変のみであり, 気管支壁外には異常を指摘できなかった. 以上の結果より, 本症例は左B9原発の低分化型腺癌で一部がポリープ状発育を呈し, さらに対側肺に気管支内腔転移を来たしたものと考えられた.

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© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
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