肺癌
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胸腺小細胞癌と乳癌の同時性重複癌の1切除例
小鹿 猛郎向山 憲男服部 典子鈴木 雅之都築 豊徳纐纈 博
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1996 年 36 巻 3 号 p. 303-306

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抄録

症例は46歳女性で, 前縦隔の巨大腫瘤 (最大径18cm) による呼吸困難で当院緊急入院し, 経皮的針生検にて小細胞癌と診断された. CBDCA 300mg/m2 (day1), VP16 100mg/m2 (day1, 2, 3) の化学療法を2クール行い, 腫瘍は著明に縮小した. また右乳癌 (浸潤性乳管癌, 2cm大) もあるため, 胸腺全摘, 右非定型的乳房切断術の一期的手術を施行した.小細胞癌は胸腺以外の組織から離れており他に原発巣を認めず胸腺原発と診断された. 右 乳癌は腋窩リンパ節転移をIa領域に認めたが, 縦隔にはリンパ節転移を認めなかった. 胸腺小細胞癌と乳癌との同時重複癌の報告は極めて稀であり, 今回調べた限りでは認めなかった.

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© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
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