肺癌
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非小細胞肺癌におけるBcl-2蛋白, アポトーシスおよびp53蛋白の免疫組織学的検討
陳 炎斎藤 泰紀佐藤 雅美佐川 元保高橋 博人遠藤 千顕桜田 晃相川 広一薄田 勝男藤村 重文
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1996 年 36 巻 6 号 p. 785-790

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抄録

原発性非小細胞肺癌におけるBcl-2蛋白, アポトーシスおよびp53蛋白の発現について免疫組織化学的に検討した. Bcl-2の陽性率は, 扁平上皮癌24%, 腺癌17%, 大細胞癌17%, Apop Tagによる染色の陽性率は扁平上皮癌35%, 腺癌27%, 大細胞癌25%, p53の陽性率は扁平上皮癌42%, 腺癌20%, 大細胞癌42%であり, いずれにおいても扁平上皮癌で陽性率が高い傾向があった.Bcl-2の発現陽性群は3年生存率95.5%で陰性群の81.4%に比し生存率が高い傾向にあり, 予 後因子となりうる可能性が示唆された. また病理病期ではStageの早いものでBcl-2の陽性率が高い傾向があった. Bcl-2とp53の関係ではBcl-2が陽性の場合にはp53の陽性率が高い傾向があった. Bcl-2およびp53両方が陽性の場合にはApop Tagの陽性率が有意に高かった (p=0.018).

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