2012 年 81 巻 3 号 p. 209-217
東京大学医学図書館に保存されている太田正雄の資料の中から、昭和6年(1931)、熊本医科大学皮膚科三宅勇教授から東北帝国大学教授太田正雄宛の手紙が新たに見つかった。それは太田が三宅に回春病院に関する照会をした内容に対する返事であった。今回、回春病院に存在していたリデル・ライト両女史記念館への当時の資料の調査依頼で1930 年代の回春病院作成のカレンダーが見つかった。このカレンダーは英語版で英米への後援者たちに寄付を依頼するためのもので、リデル自身の文章などハンセン病関連事項が多数記載されている。これらの資料から当時のハンセン病に関するいくつかの興味ある所見が窺える。