ジアフェニルスルフォン、リファンピシン、ニューキノロン (NQ) の3剤に耐性変異が確認された、ハンセン病の再発例2例について報告する。症例1は、過去に目的不明で処方されたNQが耐性獲得につながり、症例2は、有効な薬剤使用が無いままに、10年以上高い菌負荷が続いて多剤耐性につながった。両者とも新たな障害を残さずに治癒したが、3剤耐性例に対する治療指針はなく、治療レジメンについてはさらなる論議が望まれる。症例1では、抗PGL-I抗体価の低下と境界反応の出現がよく相関した。
上記2例の既往歴は、多剤併用療法が普及してハンセン病医学が十分進歩していた時代に、一部の療養所ではその恩恵が受けられなかったことを示しており、「らい予防法」の下、治療自体が隔離状態にあったことを改めて考えさせる。2例とも、長期間の休職なく外来診療で治療を完了した。ハンセン病は、本来一般地域医療の中でこそ治療されるべき疾患であった。