2024 年 2024 巻 68 号 p. 60-65
これまで唾液アミラーゼを利用した健常者での乗馬によるストレスについての報告はあったが、障害児に対する報告は少なかった。今回、障害児・者において馬介在活動における楽しさとストレスの関係を調査した。今回のような中等度から重度の障害を持つ者を対象とした研究はほとんどない。対象は身体障害児・者3 名、知的情緒障害児・者6 名であった。「馬に触れた時」「乗馬した時」「エサやりをしたとき」にアミラーゼ値を測るとともに、Visual Analog Scaleで楽しさを評価した。身体障害児・者の「乗馬」と知的情緒障害児・者の「馬に触れる」活動は、楽しい活動であり、交感神経の指標が上昇する活動であることが分かった。これらは交感神経が上昇して、楽しさも上昇していることから、楽しくて興奮している状態であると推測される。