3歳児を対象に保育環境が幼児の身体意識に影響を及ぼしているか検討した。その結果以下のことが明らかになった。
1) 体の事実に関する知識のうち, 身体部位の認知については保育環境による相違はみられなかった。動作語の認知については, 男児で24時間営業保育所児が低い傾向を示した。
2) 体のイメージ形成の発達のうち, 描画面積においては全体的に無指示で裸の絵を描かせた (身体画A) 時より, 身体部位の情報呈示後描かせた (身体画B) の方が大きかった。また, 家庭養育児が通常保育所児より大きい傾向を示した。描画得点においては家庭養育児と通常保育所児では, 身体画Aより身体画Bの方が高得点であったが, 24時間営業保育所児では一定の傾向は認められなかった。描画率は保育環境に関係なく, 3歳前半では首や身体の末端部の手足は描けない傾向を示した。3歳後半では24時間営業保育所児で描けない部位が多かった。