高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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教育講演
前頭葉と記憶
—神経内科の立場から—
山口 修平
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2007 年 27 巻 3 号 p. 222-230

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抄録

エピソード記憶の記銘と想起,意味記憶の想起,そして作業記憶における前頭葉の役割を神経機能画像研究の成果を中心に概説した。エピソード記憶の記銘の際には左の前頭前野が関与し,想起に際しては両側の前頭前野が関与している。記憶内容の言語化の程度も半球差に影響している。新奇な刺激の自動的な記銘には後方連合野の関与が強いが,前頭葉の情動(前頭眼窩面)や注意のネットワーク(前帯状回)も関与している。意味記憶そのものは側頭葉を主体とするネットワークに存在するが,その随意的な想起には左腹外側前頭前野の役割が重要である。作業記憶は前頭葉の実行機能の中で中心的な役割を果たしており,その際に主に活動する前頭葉内部位は中および下前頭回であり,頭頂葉とのネットワークが重要である。

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© 2007 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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