高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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原著
立方体透視図模写の定量的採点法の開発―当院脳神経外科患者による描画から―
依光 美幸塚田 賢信渡邉 康子山田 良治
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2013 年 33 巻 1 号 p. 12-19

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抄録

   立方体透視図模写は臨床的評価としてよく用いられているが, その判定基準は定性的で主観的なものが多い。そのため, 本研究では定量化する採点法を作成し, その信頼性と妥当性を検討することを目的とした。採点法作成では, まず当院脳外科入院患者が描画した立方体透視図形を形態の類似性に基づき7 群に類型化し, 各群の特徴と先行研究の採点基準を踏まえ, 全10 項目を抽出し, 各項目1 点で10 点を最高得点として信頼性を検討した。また, 妥当性の検討にはRCPM, MMSE, WAIS-III との相関をみた。その結果, 高い信頼性係数が得られ(α=0.91) , 当採点法で得られた立方体透視図模写得点とRCPM, WAIS-Ⅲの動作性IQ との間に正の相関がみられた。またWAIS-Ⅲの符号, 絵画完成, 積木との間にも有意な正の相関が得られた。このことから, 本採点法は簡便でかつ信頼性, 妥当性を有していると考えられた。

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© 2013 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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