高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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シンポジウムⅡ:進行性失語
失語像の多様性: “logopenic” 型原発性 進行性失語を中心に
吉野 眞理子
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2013 年 33 巻 3 号 p. 324-329

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抄録

原発性進行性失語(以下,PPA)の失語像の多様性について,〝logopenic〟型PPA を中心に分類上の問題点を考察した。英語圏症例の示す臨床症状の検討をもとに確立されたPPA の分類基準を用いて,日本語話者PPA 文献例の分類を試みた。その結果,全87 例のうち,非流暢・失文法型に12 例,意味型に7 例,〝logopenic〟型に13 例が分類され,残り55 例はどの亜型にも分類できなかった。その要因として,言語症状の記載の欠如,検査時期の問題,3 亜型分類の解剖学的・病理学的基盤の問題が挙げられた。日本語話者におけるPPA 症候学の確立のために,少なくとも前2者の問題を解決する必要があると思われる。

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© 2013 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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