高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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右の脳梁膨大後部領域の脳梗塞により相貌の変形視と 微視を呈した一例
時田 春樹田川 皓一
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2014 年 34 巻 2 号 p. 260-263

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抄録

右の脳梁膨大後部領域の脳梗塞により相貌の変形視と微視を呈した症例を経験した。症例は75 歳,右利き,男性。人の顔の左の眼や眉が下がって小さく見えると訴え来院した。神経学的検査では,相貌の変形視と微視を呈していた。なお,視力や視野,眼球運動,視覚認知機能などに問題はなかった。この変形視や微視は,写真や漫画などの二次元の対象や三次元の丸みをおびたもの,顔面に似た空間特性を持つ対象についても認められた。通常,変形視と微視は病巣と反対側に出現する。しかし,本例では病巣と同側性に症状が出現しており,右半球損傷により本人の右視野にある相手の左眉や左眼が小さく見えていた。 両眼や両眉,輪郭など,さらにはそれに類似した特徴を持つ対象を認識するのに特化した両側大脳領域間の視覚情報の統合が,脳梁膨大後部領域の病変により障害されたため,相貌の変形視と微視を生じたものと考えた。

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© 2014 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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